地球のデザイン The Whole Earth Design 世界の中の日本建築 Japanese Architecture in the World 自律建築をめざして Towards Autonomous Architecture

本書に続いて、書き出した。


建築の起源は,外敵から身を守るための,また,日々変化する自然環境,雨露,温暖を制御するための構築物(シェルター)すなわち住居である。
ヒト亜科Homininaeのヒト族Homininiに属するチンパンジー属Panの遺伝子DNA(デオキシリボ核酸)とヒト族Homoのホモ・サピエンスHomo sapiens(現生人類)のDNAはわずか1.6% しか違わないというが,チンパンジーは,一定の住居を造ることはない。樹上に寝るために樹木の枝や葉を使って巣を造るけれど,毎晩場所を変えて造り直す。洞窟など風雨を凌げる場所でも寝るし,基本的には自然を棲家としてきた。
巣をつくる生物は,モグラ,ホリネズミなどの哺乳類の他,両生類,魚類,爬虫類,鳥類をはじめ,昆虫,蜘蛛,ウニ,甲殻類など多数にのぼる。しかし,ホモ・サピエンス以外の生物の巣作りは遺伝子によってプログラム化されており,その経験をもとに新たな建築,空間形式を創り出すことはない。

建築する能力すなわち人工的に空間を創り出す能力は,ヒト科Hominidaeの進化の過程で,ホモ・サピエンスのみが獲得した能力である。建築する能力とは,言語能力すなわちコミュニケーション能力,抽象化・概念化の能力,文字・図像による表現能力,すなわち,予め空間をイメージし,二次元の図面(絵,表象)として表現する能力,そして3次元の空間を創り出す設計能力である 。

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